労働衛生コンサルタントは産業医になれる?
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企業担当者が知っておきたい「産業医資格」の仕組み
産業医の選任や契約更新の際、
「認定産業医証の更新中です」
「労働衛生コンサルタント資格を持っています」
という説明を受けて、
「結局、この先生は法的に産業医として活動できるのだろうか?」
と疑問に思われたことはないでしょうか。
実は、企業の安全衛生担当者や人事担当者の方でも誤解されていることが多いのですが、
産業医になるための要件は『認定産業医』だけではありません。
今回は、労働衛生コンサルタントと産業医の関係について、法的根拠をもとに解説します。
結論:労働衛生コンサルタント(保健衛生)は産業医になることができます
結論からお伝えすると、
医師免許を持ち、労働衛生コンサルタント試験(保健衛生区分)に合格している医師は、法律上、産業医として選任することができます。
これは慣例や業界ルールではなく、労働安全衛生法令に明確に定められています。
産業医の資格はどこで決まっているのか
産業医の資格要件は、労働安全衛生法第13条第2項で、
産業医は、労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項を行うのに必要な医学に関する知識について、厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない
と規定されています。
そして、その具体的な要件は労働安全衛生規則第14条第2項に定められています。
労働安全衛生規則第14条第2項
産業医の要件として、主に次のようなルートが規定されています。
① 所定の産業医学研修を修了した医師
いわゆる「認定産業医」の多くがこのルートです。
日本医師会の認定産業医制度も、この研修制度と密接に関係しています。
② 産業医科大学等で所定課程を修了した医師
産業医学を専門的に学んだ医師です。
③ 労働衛生コンサルタント試験(保健衛生区分)合格者
ここが今回のポイントです。
労働安全衛生規則第14条第2項第3号では、
労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験区分が保健衛生であるもの
を産業医要件として定めています。
つまり、
労働衛生コンサルタント(保健衛生)は、法律上、産業医になるための正式な資格要件の一つなのです。
認定産業医と何が違うのでしょうか?
ここで混同されやすいのが、
「認定産業医」と「法律上の産業医資格」の違いです。
日本医師会認定産業医は、日本医師会が運営する認定制度です。
一方、
企業が選任する産業医の資格要件は、労働安全衛生法令によって定められています。
つまり、
認定産業医は
『産業医要件を満たしていることを示す一つの方法』
であって、
唯一の方法ではありません。
なぜ労働衛生コンサルタントが産業医要件として認められているのか
労働衛生コンサルタントは、厚生労働大臣が所管する国家資格です。
試験では、
労働衛生関係法令
健康管理
作業環境管理
作業管理
労働衛生一般
産業保健に関する専門知識
などが問われます。
国は、
「この試験に合格した者は、産業医として必要な労働衛生に関する知識を有している」
と評価しているため、産業医資格要件として認めています。
実務上よくある誤解
企業担当者の方が産業医の資格確認を行う際、
認定産業医証しか見たことがないため、
認定産業医証がない=産業医になれない
と思われることがあります。
しかし法令上は、
認定産業医証だけでなく、
労働衛生コンサルタント(保健衛生)
所定の産業医学研修修了
産業医科大学等の修了
なども産業医要件として認められています。
そのため、
認定産業医証が更新中で手元にない場合でも、
労働衛生コンサルタント資格を有していれば、法的な産業医要件は満たしていることになります。
企業担当者が確認すべきポイント
産業医の資格確認を行う際には、
「認定産業医証があるか」
だけではなく、
「労働安全衛生法令上の産業医要件を満たしているか」
という視点で確認することが重要です。
資格確認の資料としては、
認定産業医証
労働衛生コンサルタント登録証
研修修了証
などが用いられます。
まとめ
労働衛生コンサルタント(保健衛生)は、法律上、産業医として選任することが認められている国家資格です。
認定産業医はよく知られた制度ですが、産業医になるルートはそれだけではありません。
企業担当者としては、
「認定産業医証の有無」ではなく、
「法令上の産業医要件を満たしているか」
を確認することが大切です。
制度は少し複雑ですが、正しく理解することで、産業医選任や契約更新時の不安や疑問を解消することができます。
参考法令
労働安全衛生法 第13条
労働安全衛生規則 第14条
※本記事は執筆時点の法令に基づいて作成しています。個別の事案については、所轄労働基準監督署や専門家へご確認ください。

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