エイジフレンドリーをテーマにミニ講義を行いました
企業様でエイジフレンドリーをテーマとしたミニ講義を行いました。
今回の中心テーマは、2026年4月から新しく適用された「高年齢者の労働災害防止のための指針」と、エイジフレンドリーな職場づくりです。
エイジフレンドリーとは?
「エイジフレンドリー」と聞くと、高齢の方だけを特別扱いすることのように感じるかもしれません。
しかし、本来の目的は、高齢の方に無理をさせることでも、年齢を理由に仕事から外すことでもありません。年齢とともに起こり得る身体機能の変化を見込みながら、設備・作業方法・職場環境を人に合わせて見直し、ベテランの経験を生かしながら安全に働き続けられる職場をつくることです。
段差をなくす、表示を見やすくする、重量物を機械で扱えるようにする――。
こうした改善は、高年齢の方だけでなく、若い方、けがから復帰した方、治療を続けながら働く方、疲労がたまっている方にも役立ちます。
「年齢のせい」にする前に、仕事を見直す
事故が起こると、「本人が注意していなかった」「年齢の影響だから仕方がない」
と考えてしまいがちです。
しかし、床が滑りやすい、通路が暗い、荷物の置き場が低い、重い物を何度も運ぶ、二つの作業を同時に求められるなど、事故の背景には職場側の要因が隠れていることがあります。
「もっと注意する」という対策だけでは、人の集中力に頼ることになります。
まず危険な作業をなくせないかを考え、次に設備や環境を変え、それでも残る危険をルールや教育で補う。この順番が大切です。
体力チェックは、人を選別するためではありません
新しい指針では、健康や体力の状況を把握することも示されています。
ただし、体力チェックの結果だけで「この人は仕事ができない」と判断するものではありません。
人を測る前に、まずは仕事を測る。
その仕事では、どの程度の重量を扱うのか。段差や暗い場所はないか。素早い判断や複数作業を求めていないか。暑さや夜勤の負担はないか。
仕事が求める力を整理したうえで、設備や作業方法によって負担を下げられないかを考えます。
体力の変化を、人を外す材料ではなく、安全な仕事へつなげる材料として使うことが重要です。
小さな変化を、事故が起きる前に共有できる職場へ
今回、特にお伝えしたかったのが、次のような小さな変化を相談できる職場づくりです。
「最近、暗い場所が少し見えにくい」「この持ち上げ作業がつらくなってきた」「以前より疲れが残りやすい」こうした声を上げたことで、仕事を外されたり評価が下がったりすると思えば、働く人は無理をしてしまいます。
事故が起きてから対策するのではなく、本人が感じている小さな変化や、現場のヒヤリハットを早めに共有し、設備・動線・作業方法の改善につなげる。
その積み重ねが、ベテランを含むすべての人が安心して働ける職場につながります。
専門的な情報を、現場が動く形へ
産業医として企業の健康・安全に関わる一方、Slow DaysではWebサイトやポスター、スライドなどのデザイン制作も行っています。
その両方の経験を生かし、健康・安全・制度などの専門的な情報を、ただ「正しく載せる」だけでなく、働く方が理解し、次の行動へつなげられる形に整えることを大切にしています。
安全衛生教育のスライド、健康情報を伝える社内資料、啓発ポスターなど、「大切な内容なのに、なかなか伝わらない」と感じていることがあれば、その職場に合った伝え方から一緒に考えていきます。


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